悪いのはお前だ!という人

システム開発におけるちょっとした話し。
お酒の入った席での事。
ある先輩が、ある後輩に、「昔の俺は、担当している業務に関しての本を読んで、知識を覚えた。だから、お前もまずはそうしろ。」と軽くお説教。さらに、「お前には、そのような知識がない。まずは、本を読む事からだ。」と続けていう。
なぜ、このような事をいうかというと、先輩が後輩に説明した仕様に対して、後輩の理解度が低く、仕様を勘違いして実装してしまう事が多いからだ。だから本を読んで仕様を理解出来るようになれ、と。後輩は、お酒が入っている席だが、少し凹んだように見えて、「はい、わかりました。。。」と答えている。さぞ、悪い気持ちになったんだろう。
このやり取りに、思う事があったので、少し後輩をフォローしてみた。そう、空気を読まずに。
けど、いきなり先輩に、そうじゃねーよ!というのも大人げないので(とはいっても十分普段から大人げないですが)、英語のit is sure that ~ but ~.(なるほど、確かにそれはAだけども、実際はBだよね)」的な構文と、プレゼン風の「問題は2点ありまして、1点目はなんとかで、2点目はなんとか」を使って意見を言ってみた。
まずは、問題点が2個あるんじゃない?と提案してみる。
「私が思うに、仕様が理解出来なかったり、実装できなかったりするのについては問題が2点あると思うんですよ」
そして、sureの部分。
「1つ目としては、確かに後輩が、理解をせず実装するのが悪い。曖昧なままで実装するなんて駄目だよ。」と。
こう言っておいて、but以下を言う。ここからが本当に主張したいことだ。
「でも、2つ目としては、先輩が後輩の理解度を確認しなかったり、先輩の説明が下手という可能性もある。ただ後輩が悪いんじゃなくて、説明する方も悪いのかもしれませんよ。」
と言った。
そうしたら、酔っぱらっているのか「なぁにぃ〜、もうお前には1回しか教えてやらねーからな!」と冗談まじりで言われた。
「いやいや、他の人から教えてもらうんで良いんです」、とはさすがに言えなかったが、「僕から何度も聞きにいくんで平気っす」と言っておいた。そしたら、「お前はすぐどっかいっちゃうもんな」って言われた。そうだよ、他人に聞いて裏とってんだよ!ミスしたくないからな!
実際にこの先輩の説明は、俺にとってはドヘタにしか思えず去年は苦労させられた。その時は、自分の言葉で、これはこーすればいいんですよね?」と聞いて手戻りを出来るだけ回避していた。
後輩はそれがあまり出来ていないから余計にミスが多くなってしまうのだろう。

本当に、仕様の勘違いを無くしたいのであれば、業務に関する本を読めとただ言うのはおかしい。
確かに、その先輩は本を読んだであろう。けど、今の知識は、20年間働いて得たものが大きいだろう。それを入って2年目に要求するってのが無理ってものだ。しっかり、分かるように教えてあげるのが仕事なのでは。

でさ、プログラムで分からない事があると、俺等に聞いてくるんだぜ。これ、どうなってんの?って。
業務に関する知識を増やせといっておいて、自分のプログラムに関する知識を増やそうとしていない。
そんな人から、業務についての本を読めと言われても、説得力がないってもんです。
それに、後輩は主にコーディングをしているのだが、業務を覚えろというのは、設計がへぼいから、自分でなんとかしろって事と同義だ。設計の腕をあげれば、いいんじゃないですかー。と感じた飲み会だった。